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米国の2大IT企業による「アンドロイド裁判」の行方

モバイルOS「アンドロイド」をめぐる裁判

米国で最も成功したIT企業として世界にその名を轟かせている二つの大企業が、ある著作権をめぐって熾烈な裁判闘争を繰り広げています。この裁判の結果次第では日本におけるソフトウェア業界にも影響が少なくないのではという見方もあり、注目度が日増しに高まっているようです。

 

日本でもすっかりおなじみとなったスマートフォンなどのモバイル通信端末に搭載されているOSの名称「アンドロイド」の所有権について、「オラクル」社が「グーグル」社を権利侵害で提訴し裁判が長期化しているというのがその経緯です。

 

「OS」とは「Operating System」のイニシャル2文字で、ソフトウエアを簡便に実行させるためのシステムのことです。元来はパソコン用に開発されたシステムでしたが、スマートフォン用のソフトとして登場したのがグーグルが開発した「アンドロイド」というわけです。

 

世界のスマホ市場で大きなシェアを持つアップルの「アイフォン」に対抗するスマホ陣営のハードに搭載されたOSとして「アンドロイド」の名称は今や世界的なOS名称となっています。


「アンドロイド」とは、知能を持つ人間型ロボットの総称としてSF小説や映画などで用いられていた単語でしたが、「知性を持った機械」というイメージが高機能なモバイル端末に最適な呼び名として、緑色のロボットキャラクターと共に現在ではすっかり定着しています。


それでは、グーグルが開発したシステムの呼称ならば、その権利はグーグルのものではないかという理屈になりそうですが、事はそれほど単純ではありません。

 

工業所有権ではなく著作権の係争

そもそも、小型コンピュータの分野ではハードウェよりもソフトウェアの重要度が高い傾向があり、その開発過程では無数といってよいほどの特許が登録され権利化されています。必然的に、ソフトウェアをめぐる特許権の係争も数多いのですが、今回のオラクルとグーグルとの裁判は、特許でもなく商標でもなく、コンピュータソフトウェアの「著作権」での争いという点に特異性があります。

 

著作権は知的財産権のカテゴリに含まれますが、特許や商標などの「工業所有権」とは異なり、小説や論文などの著作物や絵画・彫刻・映画・ゲームソフト・漫画などの芸術および娯楽表現分野のオリジナル創造物を法的に保護する権利です。

 

工業所有権と重なるものもあるのですが、著作権は必ずしも「産業上利用できる分野」や「工業生産できるもの」に限定されていないことが特許・商標との決定的な違いです。さらに、著作権は国家機関の審査・登録制ではないため、盗用や剽窃に関しての証明が困難なパターンが多く、しばしば訴訟問題に発展することも少なくありません。

 

APIとフェアユースの解釈が焦点に

今回の裁判でのオラクル側の主張は、グーグルの「アンドロイド」が、オラクル考案によるJavaプログラミング言語を用いたAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)を使用しており、これが著作権侵害に相当するというもので、90億ドル(約9千億円)という巨額の使用料を求めて提訴したものです。

 

これに対しグーグル側は、オラクルのAPIは「フェアユース(公正使用)」に該当し、権利侵害にはあたらないと主張し争いました。

 

両者の裁判において、2016年5月26日付にてサンフランシスコ連邦地裁が下した判決は、グーグル側の主張を全面的に認める内容で一応の決着をみました。しかしながら、今回の判決は、世界のIT業界に大きな波紋を投げかけることになりそうです。

 

なぜなら、ソフトウェア開発でしのぎを削る業界にあって、今後自社が開発したAPIを大手企業に使用されても使用権の請求ができなくなる可能性が出てくるからです。資本力はなくとも優れた開発力を持つ小企業ほど、その労力の正当な対価を得ることができなくなるかもしれないという危惧が生じているのです。

 

オラクル対グーグルの裁判闘争は、敗訴したオラクル側が控訴することにより、最終決着はさらに延びることとなるでしょう。世界のIT業界が今後の裁判の成り行きを注目しています。

 

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