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自社ブランドの信頼性を揺るがす商標侵害の判断方法

この事件はアディダスがニッセンの登録商標の登録を無効にした事案です。

 

事の発端は、通販で有名なニッセンが2005年に運動靴の分野に『4本線のマーク』を商標登録した事です。このニッセンの4本線商標に気が付いたのがアディダス。 アディダスはスポーツメーカーとして周知のメーカーであり、3本線を基調とする複数の商標をメーカーの特徴的な商標として使用していました。

 

この状況に対しアディダスが行ったことは、特許庁に対しニッセンの登録商標を無効にするための無効審判の請求でした。この無効審判の中でアディダスは、ニッセンの4本線商標は自社の3本線商標が酷似しているとし以下二つの主張をしました。

  • ニッセンの4本線商標はアディダスの顧客吸引力にフリーライドする。
  • ニッセンの4本線商標の使用は、アディダスの3本線マークの出所表示機能を希釈化させる。これはアディダスに精神的・経済的損害を与えるもので公の秩序を乱すものだ。

特許庁の審決

この主張に対し特許庁は『ニッセンの4本線商標は、自社の3本線商標と区別できる商標である』と判断しました。その上で、ニッセンの4本線商標にはアディダスの3本線マークにフリーライドする意思は認められない。またフリーライドの意思が認められない以上、これが公の秩序や公序良俗を害するとは認められない。こう判断しアディダスの請求は認められないとの結論(審決)を出しました。

知財高裁の判決

特許庁の審決に納得がいかなかったアディダスは、特許庁の審決を取消すべく知財高裁へ『特許庁の審決を取消すことを求める裁判』を起しました。 裁判ではニッセンの4本線商標を運動靴に使用した場合、角度によっては3本線に見える事をアディダスの3本線を想起する場合等もあると指し、ニッセンの4本線商標を見た消費者は、これをアディダスの商品であると混同する恐れがあるとしました。

そして、このように混同の恐れがある以上、特許庁のなした審決は違法であり取消されるべきとの判決を出しました。

この判決が意味する事は 「特許庁の審決は取消される」=「ニッセンの4本線商標の登録を無効(はじめからなかったもの)にする」という事です。この判決に対しニッセンが上告をしない場合、ニッセンの4本線商標は無効となります。

 

因みに、この無効審判の審決(無効2010-890100号事件)と審決取消訴訟の判決(平成23年(行ケ)第10326号 審決取消請求事件)はいずれもインターネットで閲覧できますので興味のある方は一度原文をみてみるのもいいかもしれません。

 

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