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韓国の「T-ara」商標問題にみるタレントと芸能事務所との関係

「韓流」という単語は、大韓民国発祥の大衆文化がアジア諸国に広まり大流行となった2000年代以降の一大ムーブメントを指します。

 

日本においても、韓国発のテレビドラマや映画、そして「K-POP」の略称で親しまれた韓国のグループによる楽曲が多くの日本人ファンを獲得し、いわゆる「韓流ブーム」が日本中を席巻しました。

 

しかしながら、あまりにも急激に撒き起こった大ブームであったせいか、その反動として現在韓国ではタレントの商標における使用権の問題が起きています。

「儒教の国」で起きた世代間ギャップの悲劇

韓国の芸能界では、さまざまな立場の人々の思惑や諸団体の利権構造などが複雑に絡み合い、外国人であるわれわれ日本人には到底うかがい知ることのできない深刻な病巣が業界に根を張っているようです。

 

それらのひとつに、タレントの独立問題があります。日本でも、以前はタレントの独立問題が騒動になっていた時代がありましたが、現在は過去の混乱を教訓にした綿密な契約を芸能事務所がタレントと結ぶようになっています。

 

しかしながら、日本よりもエンタテインメントの歴史が浅い韓国では、タレントと所属事務所とのゴタゴタがしばしば報道されています。

 

中にはトラブルを苦にしたタレントが自らの命を絶つという衝撃的な事件に発展することも少なからずあり、このあたりは事務所側を「育ての親」として絶対視すべしという韓国風儒教の倫理観と、現代的にドライに割り切ろうとする若いタレントとの世代間ギャップが生んだ悲劇といえるかもしれません。

 

そして2018年1月8日に、韓国の人気女性グループ「T-ARA(ティアラ)」と所属事務所のトラブルが報道され、これが商標権をめぐる係争に発展する可能性があるとして話題になっています。

辞めたタレントのグループ名は旧事務所のもの?

以下に韓国発の報道を要約しましょう。T-ARAはこれまで所属していた芸能事務所「MBKエンターテインメント」との専属契約が2017年12月末日付で終了し、別の事務所に移籍することとなりました。

 

ところが、MBK側が2017年12月28日付で、グループ名称の「T-ARA」を商標出願していたことを発表したのです。

 

商標区分は音楽関連事業や電子機器、同ソフト、そしてファッショングッズや化粧品にまで幅広く出願されており、これが現実にMBKの商標登録となれば、事実上彼女たちは「T-ARA」というグループ名での芸能活動が一切できなくなることを意味します。

 

タレントの独立や移籍にからむ問題は、洋の東西を問わず何度も発生しており、日本でも戦前に当時の国民的大スターの「林長二郎」が映画会社を移籍する際に、それまでの芸名を本名の「長谷川一夫」に改名するという騒動がありました。

 

この当時は芸名の商標登録という問題は起きていませんでしたが、その後1991年に「加勢大周事件」を契機に芸名と商標登録の問題がクローズアップされ、芸能事務所側も所属タレントの名前やグループ名の商標登録について、のちのトラブルを見越した規定を契約に盛り込んでいるようです。

未熟なエンタテインメント業界にその原因が

しかしながら、所属タレントの全員を商標出願するには経費もかかることから、実際に出願・登録となっているのは、タレントがある程度売れてから…となっているのが実情のようです。

 

韓国のT-ARAの場合は、契約満了のわずか3日前に商標出願されていることから、そもそも契約条項になかったグループ名の商標登録を、満了日ぎりぎりで出願し、これからも継続して発生するであろうT-ARAに関する権利を自分たちで押さえておこうという算段だったと推察されます。

 

エンタテインメントの本場、米国ではタレント側がこのような不利益を被ることがないように、タレント側に立つ組合のエージェントが仲裁する仕組みが確立されているようですが、韓国ではまだそのような土壌が醸成されていないことから発生している問題のように感じられます。

 

いずれにせよ、日本にもファンが多いT-ARAのメンバーが、元気に活躍してファンの期待に応えられるような決着を望みたいものです。

 

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