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徳川家の「葵の御紋」商標登録をめぐる係争

数多くの表面化しない商標トラブル登録商標をめぐる係争事案が連日のようにマスコミを賑わせています。揉め事の大半は、対象となった商標の類似性に関しての認識の相違にあります。ある商標に関して、一方はオリジナルの模倣であると判断し、片方は類似でなく識別性のある独自の商標であると主張し対立するという構図です。

 

一般に、商標をめぐる係争は、当事者間での話し合いで和解に至ることも多く、マスコミに報道される事案は、両者が互いの主張を譲らず係争が公の場に持ち込まれてからというパターンがほとんどです。

 

表面化しなかった一般に知られていない商標トラブルはかなり多く存在すると思われます。近年、各企業における知的財産権の重要度は年ごとに増している傾向があり、「音・色・動き・位置・ホログラム」など新しい概念の商標が登録できる時代となったことで、今後もその傾向は加速していくことでしょう。

 

徳川家の紋章は登録商標たり得るかさて、最近マスコミで大きく取り上げられ話題となった商標トラブルに「徳川家の葵の紋章」をめぐる係争事案があります。これはテレビ時代劇などの「水戸黄門」でもおなじみの「三つ葉葵」をあしらった「葵の御紋」の標章が、茨城県水戸市のあるイベント会社の登録商標となったことに起因する諸問題です。

 

この「葵の御紋」は、水戸徳川藩の紋章として広く知られていたものですが、登録となったこの商標はなるほど水戸藩の紋章とほとんど同じデザインのように見えます。これが出願され登録査定を受け、2015年12月に商標登録されて以降に問題が発生しました。

 

商標登録の事実を知った公益財団法人「徳川ミュージアム」(徳川家15代当主が理事長)が2016年3月に特許庁に異議を申し立て、2017年2月末日付で特許庁は同商標の登録を無効とする判断を下した、というのが一連の経緯です。

 

素人から見ると、あまりにも有名でしかも昔は日本を統治していた徳川家の家紋そっくりな商標がなぜ一民間企業の登録商標となったのか、という疑問が生じます。そもそも商標法では登録商標にはなりえない「不登録事由」が規定されており、規定に抵触すれば出願しても拒絶査定となります。

 

「不登録事由」は複数の項目があり、たとえば「国旗」や「国際機関の紋章」はこれに該当します。日本の国旗、日の丸はもちろん皇室の「菊花紋章」も不登録事由になっており、何人も商標登録をすることができません。しかしながら、家紋や旧藩の紋章は不登録事由になっておらず、今回の係争はこの盲点を突いた出願といえるかもしれません。

 

家紋の商標査定に与える影響度葵の紋章を商標登録したイベント会社は、葵の紋章を伝統芸能などの上演の際のシンボルマークや御守り・お札・日本酒のラベルなどに使用する目的があったようです。

 

しかしながら、徳川ミュージアム側は「葵の御紋が一企業に独占されると同財団が行なう観光事業に支障をきたす」と主張していました。この係争事案は、日本に多数存在する家紋における商標登録に関して大きな影響を及ぼしかねないと注目されていましたが、特許庁が下した判断は「誤認や混同が生じる恐れがある」との事由による「登録取り消し」でした。

 

イベント会社は30日以内に知財高裁へ反訴することは可能ですが、仮に反訴したとしてもこの決定が覆る可能性は極めて低いでしょう。これまで有名な家紋に関しては、それを一企業・団体や個人に独占させることが知的財産権保護の第一義的目的でもある「公共の利益」に抵触するのか否かの判断はあいまいでしたが、この係争における特許庁の判断が、今後の商標査定の基準となる可能性は大きいといえます。

 

また、産業界においても、一度登録となった商標が第三者の異議申し立てによって覆ることがあるという教訓的事例として記憶に留めておくことが大切です。

 

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