称呼の付け方『ローマ字の場合』
前回、商標が『平仮名・カタカナ・漢字』で書かれている場合の称呼について説明しました。今回はローマ字で書かれた商標の場合についてみていきます。
ローマ字が既存の英単語である場合
商標を構成するローマ字が既存の英単語である場合、基本的にその単語の読み方がそのまま称呼として付されます。また既存の単語でも本来の読みかた以外にローマ字読みが出来る場合は、そのローマ字読みの称呼も一緒に付されているものもあります。例えば商標が「SMILE」の場合、その称呼には「スマイル」のみが付されています。一方「HUMOR」の場合、その称呼には本来の読み方である「ユーモア」の他にローマ字読みした場合の称呼である「ヒューモア」「ヒューマー」も付されています。
また商標が「都会」という意味の単語である「URBAN」の場合、その称呼には本来の読み方である「アーバン」の他に「ウルバン」も付されています。またブランド名などの造語の商標は、そのブランド名のほか、それをローマ字読みした場合の称呼も一緒に付されているケースが目立ちます。
例えば、商標が化粧品やファッション用品で有名な「CHANEL」の場合、その称呼にはブランド名である「シャネル」のほかに「チャネル」が付されています。また商標がシャネルと同じく有名ブランドの「BVLGARI」の場合、その称呼には「ブルガリ」というブランド名のほかに、これをローマ字読みした「ビイブイエルガリ」も付されています。
文字数が3文字または4文字程度の場合
ローマ字でも『文字数が3文字または4文字程度』の場合、その単語が造語と認められるものは、単にローマ字一文字一文字の読み方を羅列する称呼になるのが一般的です。例えば商標が「ABC」の場合、その称呼には各文字の読みを羅列した「エイビイシイ」が付されています。また商標が「MGPS」の場合も同様に、その称呼には「エムジイピイエス」が付されています。
なお3文字または4文字のローマ字であっても既存の単語である場合は、本来の単語の読みの他にローマ字一字一字の読みの羅列も称呼としてあげられています。例えば商標が「棒や酒場」を意味する「BAR」の場合、その称呼には「バー」のほかに「ビイエイアアル」が付されています。また商標が「加える」という動詞を意味する「AIM」の場合、その称呼には「エイム」の他に「エイアイエム」も付されています。