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おなじみのアノ形。「キッコーマンの醤油瓶」が立体商標に

「キッコーマンの醤油瓶」が立体商標に

このたび「キッコーマン卓上醤油瓶」の形状が2018年3月30日付にて「立体商標」に登録されました。登録商標制度においては、その登録用件として「文字または図形、あるいは両者を組み合わせたもの」という規定が長く続いていました。つまり、以前は紙に再現できる二次元画像に限定されていたのです。

 

しかし、1996年の商標法改正によって、新たに「立体商標」が認められるようになり、商標の概念が二次元オンリーから三次元の立体画像も含まれることになりました。そこで今回は、キッコーマンの立体商標登録までの経緯と、立体商標に関する要点を論じてみましょう。

ハードルが高い文字・図形抜きの立体商標

そもそも、三次元商標は二次元商標に比べて登録査定に至るハードルがかなり高いといわれています。特に食品の容器となると、大量に消費される食材や加工食品を納める品だけに、工場で大量生産されるプラスチックまたはガラス、あるいは金属製となるのが一般的です。となれば「使いやすくできるだけシンプルな形状」であることが望ましく、あまり突飛な形状になることはまずないといってよいでしょう。

 

菓子類などでは目立つ形状の箱や袋が市場に出回っていますが、醤油瓶のような液体状の調味料容器となると「片手で持って注ぐ」という動作が必須となることから、菓子類のパッケージのような訳にはいきません。したがって、どのメーカーの容器も同じような形状となり、「他との識別性がある形状」という立体商標の登録要件を満たすことは困難で、実際に登録された立体商標の多くは文字や図形・イラストなどを組み合わせたものでした。

難産の末に登録となったヤクルトの容器

すでに登録された立体商標では「不二家のペコちゃん人形」や「くいだおれの太郎人形」「ケンタッキー・フライドチキンのサンダース人形」など店先に置かれたマスコット人形など立体広告物などが有名です。完全に形状のみの食品容器となると「コカ・コーラの瓶」や「ヤクルトの容器」など、ごく限られたものとなり、しかもヤクルトの容器は知財高裁での係争の末に誕生した立体商標でした。

 

この裁判の結果、形状のみで立体商標を得ることの難しさと同時に、立体商標足り得る条件の第一に「消費者による高い識別性」があることが広く認識されたともいえるでしょう。

 

さて、冒頭に紹介した「キッコーマンの卓上醤油瓶」ですが、ヤクルト裁判の前例があっただけに、「ブランドマークなしの立体商標登録は難しいのでは?」という意見も少なからずありました。しかし、キッコーマン側としてはこの瓶の形状は、同社が独自で考案し長く用いているだけに、同じ形状の瓶に他社の商標を付けて流通されるのは困るという思いが強くあったようです。

海外戦略への追い風となるか

近年は、世界的な日本食ブームに伴って諸外国への輸出量も増加しており、外国で瓶の形状を模倣されることを防ぐためにも、まずは日本で確実に立体商標を取得しておきたいとの強い意志があったとも思われます。

 

とにかくハードルが高い、といわれていた食品容器の形状のみの立体商標ですが、「キッコーマンの卓上醤油瓶」に関しては不服審判などの係争なしで査定・登録となったことは、前例を考えると実に画期的実例といえます。同商品は著名な工業デザイナーによる1961年の作品であることはよく知られており、今回の立体商標登録は同社の50年にわたる長い実績が結実したといってよいでしょう。

 

海外での圧倒的シェアを誇る、キッコーマンの卓上醤油瓶を模倣した商品が出回ることが考えられます。その意味では、今回日本で文字や図形を含まない純粋な形状のみの立体商標が登録された意味はかなり大きいといってよいでしょう。

 

キッコーマンの卓上醤油瓶は、1995年に当時の通産省から「グッドデザイン」に認定されたほど、そのデザイン性の評価が高いものでしたが、これに「立体商標」という付加価値が加わることで、メーカーにとっては計り知れないほどのメリットがあると思われます。

 

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