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女優メリル・ストリープの商標登録にみる個人名の商標化

個人の氏名は商標登録できるのか?

アメリカの人気女優、メリル・ストリープ(本名はメアリー・ルイーズ・ストリープ)が2018年の1月に自身の氏名「Meryl Streep」を米国特許商標庁に出願していたことが報道され話題となりました。

 

その際「人名って商標登録できるの?」と疑問を感じた人も少なくないでしょう。結論からいえば、日本でも米国でも、本人の承諾があれば人名の商標登録は可能です。

 

特に、名前が一種のブランドでもある俳優・歌手・タレントなどは自分の氏名を商標登録しておき、無断使用などのトラブルに備えておくことは芸能界では常識化しています。今回は、著名人の氏名の商標登録にまつわる話題を紹介してみましょう。

世間を騒がせた「加勢大周」の独立トラブル

日本での有名人の名前についての商標トラブルといえば、古いところでは1991年の「加勢大周騒動」が思い出されます。

 

これは当時、新進の若手俳優として人気絶頂だった男優の「加勢大周」が、所属する芸能事務所から独立する際に、芸名である「加勢大周」の使用権についてのトラブルでした。独立してそのまま「加勢大周」を名乗りたい加勢側と、彼を売り出した芸能事務所側が「『加勢大周』は当社が命名した芸名。独立するのなら『加勢大周』は名乗らせない」と主張して対立したものです。この事件は民事裁判となり、加勢側が勝訴して一件落着となりました。

 

事務所側は加勢の独立意志を受け慌てて「加勢大周」を特許庁に商標出願しましたが、いかに事務所が命名した芸名とはいっても、その芸名で有名となった本人が承諾していない限り商標の登録要件を満たさずとのことで出願は拒絶され、俳優としての加勢大周の人格権が優先される形となったわけです。

「加護亜衣」の使用についての司法判断

「加勢大周騒動」では、タレントと芸能事務所との芸名使用の取り決めがあいまいだったことが芸能事務所側にマイナスに作用しました。

 

芸能事務所がタレントと雇用契約を締結する際、芸能活動での芸名の使用権は事務所側に帰属する旨を契約書に盛り込んでおき、同時に事務所の法人名義で商標出願も済ませてさえおけば、あれほどの騒動にはならなかったでしょう。実際にこの事件以降、芸能界ではタレントの名前におけるトラブル回避策として、タレントの氏名の商標登録を契約条件とする芸能事務所が常識となっているようです。

 

ただし、少々厄介なのはタレントの名前が本名だった場合です。この件に関しては、2014年に起きた「加護亜衣問題」が参考になります。これもまたタレントの独立の際のトラブルなのですが、加護亜衣の場合はこの名前が彼女の本名で、芸能事務所はそれを商標登録していたことから発生したトラブルでした。

 

「独立後も有名となった本名で芸能活動をしたい」という希望がある加護側と、「たとえ本名であっても芸能活動でその名前は使わせない」とする商標登録者の事務所側との対立です。この事件もまた裁判で争われ、結果的には加護側が申請した3年間不使用の場合に認められる「不使用取消審判」が通り、加護亜衣の勝訴となり決着しました。

活動休止か改名3年がポイント?

「加護亜衣裁判」での判例により、「本名の場合は事務所を辞めて3年間一時活動を休止すれば、元の名前で復帰できる」というタレント側の見通しが立ったことになります。おそらく、今の芸能界では芸能事務所とタレントとの雇用契約時に、この係争結果を踏まえた契約条項が盛り込まれていると推察されます。

 

ちなみに、最近話題となった女優の「能年玲奈」が、本名であるにもかかわらず、独立後に「のん」と改名した件は、商標に関わる問題というよりも契約の解釈をめぐるトラブルのようです。しかし、加護亜衣の係争判例があるだけに「能年玲奈改めのん」は、一時改名し3年後にまた本名で復帰するつもりなのかもしれません。

 

メリル・ストリープの話題からだいぶ脇道にそれましたが、キャリア40年というベテランの大女優メリルが、なぜ今頃自分の名前を商標登録したのか、まだ情報が少なくその理由は判然としません。

 

もしかすると、彼女が契約していた米国エージェントとの氏名使用権に関する契約条項に変更があったのかもしれません。いずれにせよ、ことの真相はいずれメリル自身から明かされることでしょう。

 

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