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農林水産省が「農泊」の商標を登録

「商標」とは"TradeMark"を直訳した単語で、すなわち「商業上の標章」という意味です。端的に表現すれば、企業や団体が商品やサービスを流通させる際の識別標章として消費者に認識させるものと定義できます。このことは一般社会でも常識となっていますが、それでは「国の行政機関が商標登録をした」と聞いて素直に納得できる人はいるでしょうか?

 

おそらく、多くの人々が違和感を覚えることでしょう。「登録商標って民間企業対象ではなかったの?」と、首をかしげる人も多いのではないでしょうか。今回は、このたび農林水産庁が行った「農泊」の商標出願に関連して、その経緯と行政機関と商標との関係性について考察してみましょう。

「農泊」が誕生した背景

「農泊」とは、滞在型国内旅行のひとつの形態を示す造語で、古い農家や伝統的建築様式が残る古民家を宿泊先とする旅を意味します。都市型のホテルや近代的な設備が整った旅館などではなく、あえて古い建物に泊まることによって、古来から受け継がれてきた地域の伝統文化やそこで暮らす人々との交流をはかるという意義深い内容のもので、農家と宿泊を合わせて「農泊」という略語が用いられるようになりました。

 

少子高齢化の影響もあり、加速する地方の過疎化に歯止めをかけることと、各地域の伝統文化や民工芸品などに直接触れることで、地域活性化にもつながるとのことで、農林水産省は「農泊」を積極的に推進してきたという時代背景があります。1980年代頃から、欧州で「グリーン・ツーリズム」という言葉が生まれ、都会の人々が余暇を利用して地方の民家に宿泊するというムーブメントが起きており、これが日本にも波及してきたとする見方もあるようです。

粗悪な「農泊旅行」が横行するリスク

それはさておき、旅行者にとって「農泊」は、日本文化の奥深さを認識する旅でもあり、農泊によって実際に現地で自分の眼で見て体験して初めて分かる発見に、大きな喜びを見出す若者たちも少なくないようです。しかしながら、この「農泊」が今後さらに普及し利用者が増加するにつれて、新たな問題が出てきました。それは、民間企業が「農泊」を一般名詞として広告宣伝に利用するという事態です。

 

造語ではありますが「農泊」が一般名詞である以上は誰がどんな目的で使おうと自由であり、言葉自体を規制することはできません。しかしながら、このまま「農泊」が普通名詞化してしまうと、悪徳旅行業社などが単なる儲け主義のための宣伝に利用するという危険性もあり、そうなると「農泊」という言葉自体が旅行者にマイナスのイメージを抱かせる結果にもなりかねません。

 

滞在型旅行は、旅行者が貴重な余暇の日々を割いて行うもので、形ある商品ではないだけに、粗悪な旅行体験をしてしまっては取り返しがつきません。過ぎ去った日々は還ってこないのです。

「農泊」のブランド価値を保護

ではどうするか。農林水産省が出した答えは「農林水産省が出願人となって『農泊』を商標登録する」というものでした。冒頭で提示した「行政機関が商標登録してもよいのか?」という疑問点ですが、商標法では行政機関の出願を禁じてはいません。元来、商標を含む知的財産権は「産業界の健全な発展に寄与する」ことを目的としているので、行政機関の出願が悪徳業者による反社会的行為を未然に防ぐという建前があれば許諾される可能性が高いのです。

 

「農泊」は農林水産省が推進してきたという経緯があり、同省が商標を管理することで旅行者も安心して旅行を楽しめるというメリットがあり、「農泊」のブランド価値をより高めることとなります。今後、民間企業は農林水産省からの使用許諾を受けることになりますが、使用料などはむろん無料となっています。ちなみに、農林水産省のウェブサイトから「商標使用許可申請書」へアクセスして使用の申込みが可能となっています。

 

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