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特許庁が問題視した1個人(法人)による年間1万件越えた商標出願

「登録商標を取得しているヒット商品は、ライセンス契約でも大きな利益を生み出す」ということが一般に知れわたったせいか、最近は「商標で一儲け」を画策する人物が異常な数の商標出願を実行して世間を騒がせています。今回は、この珍現象を追ってみましょう。

1年で1万件以上も出願した人物の本音

一人の個人が自分名義と法人名義にて、数年前から法外な数の商標出願をしている事実が報道され、それらの出願には「民進党」「リニア新幹線」「アナと雪の女王」「じぇじぇじぇ」「INSTAGRAM」「LINE」など、政党名からヒット映画タイトルそれに流行語にいたるまで、昨今の話題に上った単語がこれでもか、とばかりに出願されていました。

 

その数が実に年間1万4,700件を超えているのです。日本での商標出願件数は年間14万7千件ほどなので、なんとこの人物が一人で日本全体の1割もの数の出願をしていることになります。本来の権利者を出し抜いたようなやり方に疑念の声が多く挙がっていました。

 

大阪に住むこの人物(男性)に朝日新聞が人物に接触して得たインタビュー内容によれば、当人は元弁理士でしたが、現在は出願代理人としての仕事ができる立場を喪失しており、商標出願を自分で行うことを数年前から始めたとのことです。その目的は「将来自分で使用すること」「他人に権利を譲渡すること」にあり、そのために有名になった単語などの権利を誰よりも先に出願し将来に備えておくことが目的であると語っています。

 

すなわち、大量出願の主な目的は「商標の転売」にあることを本人が認めており、これが罪に問われるような違法行為ではないことを十分認識した上での行動であるとはっきり認識しているというわけです。確かに、道義的には問題があるとはいえ、現在の法律では単に商標出願の数が多いからといって、これを裁く条文はありません。まさに「法の網の目」をくぐった脱法行為スレスレの荒業だともいえます。

商標法の網の目をくぐる愚行

しかも問題は、この人物が出願手数料を全く支払っていないことです。現在、商標の出願に関してはオンライン出願方式が全出願の90%以上に達しています。以前の書面出願では出願用紙に手数料分の「特許印紙」を貼付する必要がありましたが、オンライン出願では支払い方法がいくつかあり、金融機関での振込を選択しておけば、出願から30日以内に送金すればよいことになっています。

 

つまり、商標法に詳しい元弁理士のこの男性は、片っぱしからオンライン出願したのち、手数料を送金せず放置しているのです。当然ながら、手数料が振り込まれない出願に対しては商標査定どころか、審査自体が行われません。すなわち、この人物は最初から登録商標を取得する考えなど全くないということのようです。

特許庁が公布した警告文書

特許庁も、この事態を重くみて2016年5月にはこのような出願に関し「自らの商標を他人に商標登録されている皆様へ(ご注意)」という異例の警告文書を公布しました。この文書によれば、かかる出願に対しては、仮に手数料の納付があった場合でも全て拒絶査定とする旨を断定しています。

 

すなわち、他人の商標の先取り行為的出願は登録商標の要件にあらずという判断を、特許庁が関連する法律の条文を示して明確に否定したのです。そして、このような出願があったからいっても、自身の商標出願を断念することがないように進言しています。

 

商標法に疎い人の中には、自分が取得すべき商標を、他人から先に出願され、それが公報に掲載されたことを知って出願をあきらめる場合が少なくないことに注意を喚起しているわけです。さらに付け加えると、この人物の脱法行為に便乗したのか、先に出願しておいて、商標の譲渡やライセンス契約を持ちかけるという行為に対しても、決して話に乗ってはいけません。悪徳な「商標ブローカー」の汚い手口にはまってしまうだけなのです。

 

 

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